老廃物とは?

『少食が健康の原点』(甲田光雄著)P97~101抜粋

2.空腹時に老廃物の排泄が活発になる

少食になると、老廃物の排泄も完全に行われるようになることを説明しておきたいと思います。

私たちが断食をしたり、また少食で空腹になった時には、体内の排泄機能が活発になっていることを知っておく必要があります。

筆者は長年断食の研究を続けてきましたが、断食というマイナス栄養の特徴は、何と言ってもまず出す(排泄)ことです。

断食に入りますとそれまでの体内に停滞していた老廃物もすっかり排泄され、全身の血液は清浄となってくるのです。

たとえば農薬や食品添加物なども、その一部が完全に排泄されないまま体内に停滞している場合が少なくありませんが、これらの農薬や食品添加物なども、断食をすると排泄されてしまうのです。

農薬でも特に有機塩素剤、たとえばBHC,DDTあるいはまたカネミ油症で問題となったPCBなどはいったん体内に入ると、脂肪組織に沈着して、そのまま長期にわたって停滞するのでやっかいなのです。

しかし、これらの有機塩素剤でも断食を行うと体外へ排泄されることが解ってきました。

筆者はかつて、昭和48年頃に、神戸大学公衆衛生の教授、喜多村先生に依頼して、当院へ入院断食を行った患者さんの血液や尿の中にβ―BHCがどれだけあるか、測定してもらいました。

これは、断食によって、それまで体内に停滞していたβ―BHCが排泄されるかどうかを調べる目的で行った研究です。

患者さん達から、断食前、断食中及び断食後の血液と尿を採取し、その中のβ―BHCを測定していただいたのです。

その結果、確かに、断食によってβ―BHCの排泄が高まるのを認めることができました。

このように農薬に限らず、生体は飢えると、その時排泄機能が高まり、色々な老廃物を積極的に排泄するので、血液がそれだけ清浄になるわけです。

したがって、断食が最も有効な老廃物の排泄手段となりますが、少食を実行する者も、その空腹時にやはり排泄機能は活発になっているのです。

これを筆者はマイナス栄養と呼称しているのですが、このマイナス栄養の意義は、人間の健康を論ずるうえで大変重要なものであることを強調しておきたいのです。

 

①マイナス栄養の研究こそ大切

栄養学の研究といえば一般にプラスの栄養のことを考えるようです。現代栄養学の書物を見てもその例外ではありません。

卵を食べたら、どのような蛋白質がとれるかとか、大豆食品にはすぐれた食物性蛋白、

それに良質の不飽和脂肪酸が含まれているとか、海藻類にはカルシウム、鉄、ヨードなど貴重なミネラルが豊富に含まれている等々、すべてプラス栄養学の研究です。

これらの栄養素をバランスよく含んだ食品を選んで食べることにより健康を保つことができると考えられているのです。

栄養学者の中には一日に30種類の食品を選んで食べるようすすめている人もおられます。

これは30種類の食品を食べることにより、栄養素が欠乏しないように摂取できるという考えからです。

このように栄養学の研究はそのほとんどが、プラスの栄養に重点が置かれております。これは過去の人類の歴史は飢餓と欠乏の時代が長く続き、そのために命を失うものが大変多かったためでありましょう。

たしかにプラスの栄養学の重要性はよく解りますが、しかしこれだけでは片手落ちであることを知らねばなりません。

100%の栄養が体内に入り、新陳代謝を受け、その結果老廃物が産生されますが、この老廃物も100%体外に排泄されてこそ、バランスがとれ、生体は健康を維持してゆくことができるのです。

ところが不思議なことに、老廃物を完全に排泄するマイナス栄養の研究がどうも重要視されていないように思われるのです。

入れる方が100%なら、出す方も100%であってこそ健康が維持されるはずであるのに、入れる方に研究が傾き、出す方がどうも軽視されるというのは片手落ちです。

だいたい、栄養学の面ばかりでなく世間一般にやはり、出す方よりも入れる方を重視する傾向があるのでしょう。

権利だけを要求して、出す方(布施、奉仕)はどうしてもいやがるのが凡夫の常というべきでしょうか。

しかし天地の法則からすれば、プラスが100%なら必ずマイナスも100%でなければならないのです。いやむしろ、プラスの方よりもマイナスの方が優先する場合も少なくないのです。

電車やエレベーターなどがそうです。電車でもエレベーターでも中に入っているものが先ず全部出てから、外で待っているものが中に入るという順序になっているではありませんか。

このように、マイナス栄養もまず100%老廃物を排泄することが大切で、老廃物が100%排泄されてから、プラス栄養つまり食事をいただくという順序が天地の法則にかなっているように思われるのですが、いかがでしょうか。

しかも、老廃物を100%体外に排泄する最もよい手段が空腹(飢え)であると分ったら、この飢えの研究にもっと積極的な取り組みをする必要がると思うのです。

ついでに読んでおきたい関連記事

サブコンテンツ

このページの先頭へ