【玄米酵素の基礎知識23】腎臓(その2)
国民病
慢性腎臓病は、腎臓の障害が慢性的に続いている状態のことをいいます。現在、患者は国内に1,330万人(成人8人に1人)いるとされ、新たな国民病といわれています。
糸球体腎炎や多発性骨髄腫嚢胞腎は、慢性腎臓病の重要な原因です。
また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、慢性腎臓病を発症する可能性が高いと指摘されています。そのため、肥満や運動不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスにも注意が必要です。
また、腎臓は年齢とともに機能が低下するため、高齢者では慢性腎臓病になる確率が高くなります。
腎臓と腸内細菌
最新の研究では、腸内細菌が体の機能や病気に影響していることが明らかになっています。
菌の力で炎症を抑える薬の開発や、健康人の便にいる菌を腸の難病患者に移植する「便微生物」など、医療への応用も加速しています。
2017年、東北大と慶応大の合同チームが「慢性腎臓病は腸内環境の影響を受けている」と発表しました。近年、腎臓病と腸内細菌叢を含む腸内環境の関連性がと発表しました。
近年、腎臓病と腸内細菌叢を含む腸内環境の関連性がほうこくされてお報告されており、腸管と腎臓が相互に影響を及ぼす「腸腎連関」もいわれています。
合同チームによるマウスを用いた実験では、次の2点が明らかになりました。
- 腎不全によって影響を受けた腸内細菌が毒素を作り、血中に留める。
- 人工的に無菌にすると、通常のマウスと比較し、腎機能が悪化する。
腸内細菌は探査脂肪酸、アミノ酸を作り、腎臓を作ることが分かっています。したがって、腎臓健康維持には、腸内細菌のバランスを整えることが重要なのです。
合同チームの阿部高明・東北大学大学院教授(腎臓内科)は、「腸内環境は慢性腎臓病にも良くも悪くも影響する。病気の悪化を防ぐためには腸内環境を整えることが重要」と話しています。
(2017年4月10日)国産腎臓学会学術誌Kidney International電子版に掲載)
食生活上の注意点
慢性腎臓病の原因として、生活習慣病との関係が懸念されてます。
インスタント食品や加工食品等は糖質、脂肪分、化学物質(添加物、農薬など)を含むため、とり過ぎると塩分過多や血糖値の上昇を招きやすく、糖尿病、高血圧、その他の生活習慣病の原因となってしまい、ひいては慢性腎臓病に発展しやすくなります。
腸内環境を整えるために、食物繊維、オリゴ糖を多く含む、玄米、豆製品、野菜類を毎日の食生活に取り入れて下さい。
また菌活のために様々な発酵食品(味噌、甘酒、塩麴、醤油麹など)を調味料として活用することもおすすめします。
旬の食材は、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなどの有効成分を多く含むため、腸内環境を改善し、慢性腎臓病の予防や進行の抑制につながると期待できます。
食事道(玄米酵素が提唱する食の考え方①適応食,②身土不二,③一物全体食)に則った食生活が慢性腎臓病や生活習慣病の予防になります。
主食を玄米ご飯に、副食には「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」をバランスよく取り入れましょう。
- まめ
- ごま
- わかめ
- やさい
- さかな
- しいたけ
- いも
- 酵素
玄米酵素 販売店用情報誌
さざ波 NO.195 平成30年12月号
〔執筆〕 玄米酵素 主幹 栄養管理士 加藤初美
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タグ:食生活の改善