【玄米酵素の基礎知識20】麹菌の魅力
麹菌は日本の国菌
「麹」と呼ばれているのは一般的に、米、麦、大豆などの穀物にコウジカビを繁殖させたものです。
出来上がった麹は原料の種類により米麹、麦麹、豆麹と呼ばれていて、日本や東アジア圏で使われています。
調味料の塩麴や醤油麹によく使われているのは「米麹」です。日本で古くから清酒やみそ、醤油などに使われてきたのは、ニホンコウジカビといい、学名はアスペルギルス・オリゼーといいます。
アスベルギルス・オリゼーは、日本の豊かな食文化に貢献してきたことが評価され、2006年10月12日、日本醸造協会により「国菌」に認定されました。
日本醸造学会の発表論文には「今後ますます産業的に重要な菌として、医薬品をはじめ、広い分野で有用物質の生産に用いられるであろう」と書かれているほど、日本の貴重な財産として認められています。
また麹菌で発酵した味噌はフリーラジカル学会や日本統合医療学会などで「抗酸化作用が世界一高い調味料」と評価されました。
麹菌の成分
発酵食品が腸の健康や美容に良いと言われるのは麹菌で発酵させることにより様々な成分が生まれるからです。
代表的な成分を次に上げます。
酵素
酵素はたんぱく質の一種で、消化・吸収や燃焼・排泄など、身体の働きになくてはならない物質です。
食べたものの分解を助ける酵素が、胃もたれや胸やけを防ぎ、栄養素を吸収しやすい状態(結合型が遊離型になること)になります。
また活性酸素を消去し酸化を防ぐSODなど、多数の酵素が生まれます。酵素は、毎日の健康な生命活動を営むためになくてはならないものなのです。
こうじ酸
メラニン色素の合成を抑え、美白効果があり、化粧品の成分として使用されています。
GABA(γ‐アミノ酸)
精神安定作用、血圧安定作用があり、認知症の予防効果があります。
アミノ酸・ペプチド
麹によって作られる酵素がタンパク質を分解し、アミノ酸、ペプチドなどの健康成分が生まれます。
酸性プロテアーゼ
広島大学大学院生物圏科学研究科、加藤範久教授(日本食・発酵食品の革新的研究拠点)は、米麹から産生される酸性プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)が腸内ビフィズス菌を著しく増加させることを発見しました。(2016年6月9日発表)
ビフィズス菌を増やし、腸内環境を整え、生活習慣の予防ができるのです。
その他、「米麹」にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は、栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)の代謝や細胞や骨等、様々な物質代謝に関わっています。疲労回復や、粘膜強化、美肌作りには欠かせない栄養素です。また神経ビタミンと言われ、脳の中枢神経や神経系の働きを正常に保ち、ストレスを緩和し精神の安定を保ってくれる働きもあります。
麹菌の活用
麹菌は私たちの身体にとって有益です。日常の食生活に発酵食品や簡単に作れる発酵調味料(甘酒、塩麴、醤油麹など)を取り入れ、健康な生活が送れるようにしたいものです。
玄米酵素 販売店用情報誌
さざ波 NO.193
平成30年6月号
〔執筆〕
玄米酵素 主幹 栄養管理士
加藤初美
※1補酵素:酵素の働きをサポートする成分、主な成分はビタミンB群
※2ウエルニッケ脳症:ビタミンB1の欠乏による記憶障害や運動失調(歩行の不安定)
玄米酵素発行『さざ波』平成30年4月号N0.192より
㈱玄米酵素 管理栄養士 加藤初美著
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