酪酸は「腸漏れ」を予防する

  • 腸もれ(リーキーガット)が下痢や便秘の原因?
  • 酪酸は「腸もれ」を抑えることで、粘膜のバリア機能を高める
  • 腸漏れが引き起こす病気はたくさんある

「同じ短鎖脂肪酸でも、酢酸やプロピオン酸と異なり、酪酸だけが腸の粘膜を保護する作用がある」

それは基礎医学的な検討が行われた結果、「腸もれ」を抑えることで、粘膜のバリア機能を高める効果があることが分かりました。

お腹の調子が悪い過敏性腸症候群患者の腸の粘膜を調べると、下痢型でも便秘型でも混合型の患者さんでも、「腸がもれやすい状態」になっていることがわかっています。

腸の粘膜の透過性亢進です。

腸の粘膜の細胞は、互いに手と手をつなぎあって、腸内細菌や、腸内細菌が作り出す毒素(LPS:リポポリサッカロイドなど)が腸の粘膜から入って来ないように、“通せんぼ”をする機能をもっています。

細胞と細胞がつないでいる「手」を「タイトジャンクション」と呼びます。これは、腸は細菌や有害な毒素が体内に入って来ないように防御できているのです。

ふだんからお腹の調子が悪い過敏性腸症候群患者や、ストレスが多い人、アルコールや高脂肪食を摂り過ぎている人では、この手と手のつながりが緩んでバリア機能が弱ってしまい、有害な細菌や、細菌が作り出す毒素が粘膜の中へ容易に侵入してくるようになります。

これを「腸漏れ=リーキーガット(リーキー:もれる、ガット*:腸)」や「腸の粘膜の透過性亢進」と呼びます。リーキーガットになると、腸内細菌が作り出す毒素が体内に侵入してきます。これによって腸のなかで炎症が起こり、腹痛や下痢などのお腹の不調に繋がります。

腸自体の問題ばかりではありません。腸内細菌が作り出す毒素が腸から漏れて体内に散らばっていくと、全身の病気を引き起こすことが分かってきました。

〇腸肝連関
腸内細菌が作り出す毒素(LPS)は、血液を介して肝臓に達して、肝硬変や肝臓がんの原因になる。

〇腸腎連関
腸内細菌が作り出す尿毒性物質(Pクレゾール)が、血液を介して腎臓に達すると、慢性腎不全を進行させる。

〇腸血管連関
腸内細菌が作り出すTMAO(トリメチルアミンーN―オキシド)が、血液中に漏れ出すと、動脈硬化を進める。

〇脳腸相関
統合失調症などメンタルの病気の人は、腸粘膜の透過性の亢進があり、腸内細菌の作り出す毒素(LPS)が血液中に多い。これによって神経の慢性的な炎症が起こり、精神疾患の原因のひとつになっている。

しかし、酪酸はこの腸漏れの状態を改善することが分かったのです。

腸に炎症を起こすサイトカイン(TNF—α)をふりかけると、腸の粘膜は漏れやすくなります。(腸の粘膜の透過性が亢進します)。

しかし、酪酸を振り返るとタイトジャンクションが強くなり、もれていた腸が復活し、バリア機能が回復することが報告されたのです。酢酸とプロピオン酸にこの効果は見られません。

つまり、酪酸はリーキーガットを改善するのです。

正常な腸粘膜とリーキーガット症候群の腸粘膜

正常な腸粘膜とリーキーガット症候群の腸粘膜の図

※『すごい酪酸菌 病気になる人、ならない人の分かれ道』(江田証著)P157~P161より抜粋

 

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