【玄米酵素の基礎知識19】玄米に含まれる栄養素―ビタミンB群
ビタミンB群は水溶性のビタミンで、8種類のビタミン(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)があります。
ビタミンB群は身体の中でお互いに協力関係をもちながら、様々な代謝に関わっているため、ビタミンB群ひとまとめにされるのです。
玄米にはビタミンB群が豊富に含まれますが、ビタミンB12は含まれていません。ビタミンB12は、海藻類、魚介類、発酵食品などに含まれているので、副食にうまく組み合わせて取り入れると良いです。
ただし、食べ物から摂取されたビタミンB群は、たんぱく質などと結合していて、そのままでは吸収することが出来ません。胃酸や様々な酵素により、「遊離型ビタミン」に変わり、小腸から吸収されて体内を巡り、様々な働きをします。
ビタミンB群それぞれの主な働き
ビタミンB1
糖質の代謝や分解を助ける(補酵素※1)、脳や神経が正常に働くために必要
<欠乏症状>脚気、慢性疲労、手足の冷えやしびれ、神経痛、居眠り、神経症、便秘、ウエルニッケ脳症※2
ビタミンB2
脂質の代謝、細胞膜の代謝、糖質をエネルギーにする時の補酵素、便秘解消
<欠乏症状>成長不良、皮膚炎、口角炎、口内炎、口唇炎、角膜炎、目のちかちかかゆみ等
ビタミンB6
たんぱく質の代謝、アミノ酸代謝の様々な補酵素、ビタミンB12と共に脂質の分解、インスリンの合成(貧血予防)
<欠乏症状>発育不全、皮膚炎、貧血、神経炎、先端疼痛症、脂肪肝、けいれんなど
ビタミンB12
核酸、アミノ酸、脂肪酸代謝の補酵素、葉酸の働きを助けヘモグロビンを生成、動脈硬化の予防、悪性貧血の予防、神経ビタミン
<欠乏症状>悪性貧血、神経障害、DNA合成異常など
ナイアシン
体内代謝作用、糖質、脂質をエネルギーにするときの補酵素、トリプトファン(アミノ酸)により合成可能、腸内細菌により合成可能
<欠乏症状>ペラグラ、皮膚炎、口角炎、舌炎、胃腸症状、神経症状(うつ症状)など、認知症
パントテン酸
脂質、糖質の代謝に関与(補酵素)、善玉コレステロールを増やす作用、抗ストレス作用
<欠乏症状>皮膚炎、めまい、頭痛、手のマヒ、肝機能障害、自律神経失調症、副腎障害、足の痛み
葉酸
アミノ酸、核酸の代謝、ヘモグロビン合成の補酵素、胃粘膜機能正常作用
<欠乏症状>貧血症、舌炎、口内炎、突発性流産
ビオチン
糖質、脂質、たんぱく質の代謝、美肌、美髪ビタミン
<欠乏症状>疲労感、うつ症状、湿疹、脱毛、白髪、吐き気
相乗効果
これらを一緒に取ることにより相乗効果がありパワーアップされます。
肥満、肌や髪の毛のトラブルや精神的なうつや認知症、生活習慣病を予防するためにも上手にビタミンB群を取ることが大事です。
抽出した栄養素のサプリメントで取るよりは、一物全体食で取れる食べ物が良いでしょう。
ビタミンB群は玄米、雑穀、大豆などに多く含まれますが、吸収しやすい「遊離型ビタミン」になっている発酵食品を取り入れましょう。
※1補酵素:酵素の働きをサポートする成分、主な成分はビタミンB群
※2ウエルニッケ脳症:ビタミンB1の欠乏による記憶障害や運動失調(歩行の不安定)
玄米酵素発行『さざ波』平成30年4月号N0.192より
㈱玄米酵素 管理栄養士 加藤初美著
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タグ:食生活の改善